司法書士の覚書

司法書士業務や司法書士制度に関する覚書です

相続財産に関する情報と個人情報保護法

 個人情報保護法2条1項「個人に関する情報」に当たるかどうかの判例です。

 

要旨 

相続財産についての情報が被相続人に関するものとしてその生前に個人情報保護法2条1項にいう「個人に関する情報」に当たるものであったとしても,そのことから直ちに,当該情報が当該相続財産を取得した相続人又は受遺者に関するものとして上記「個人に関する情報」に当たるということはできない。

 

www.courts.go.jp

 

 

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花押は自筆証書遺言の押印にあたるのか

自筆証書遺言には、押印をする必要があります(民法第968条第1項)。

 

自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。

 

自筆の遺言書の押印は、実印を押印する必要はありません。

 

では、花押は押印に該当するのでしょうか。

 

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相続人が相続放棄しないまま死亡した場合

相続人が相続放棄せずに相続放棄の熟慮期間中に死亡してしまった場合、相続人の相続人は、相続放棄の熟慮期間内であれば相続放棄することができます。

 

民法の条文

 

この場合の熟慮期間について民法916条では、「その者の相続人が自己のために相続の開始があったことを知った時から起算する」とされています。

 

民法第916条

相続人が相続の承認又は放棄をしないで死亡したときは、前条第1項の期間は、その者の相続人が自己のために相続の開始があったことを知った時から起算する。

 

 

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株主総会決議で代表取締役を選定できるか

取締役会設置会社(非公開会社)については以下のような判例があります。

 

要旨

取締役会設置会社である非公開会社における、取締役会の決議によるほか株主総会の決議によっても代表取締役を定めることができる旨の定款の定めは有効である。

 

裁判所 | 裁判例情報:検索結果詳細画面

 

なお、役員変更に関して取締役会非設置会社では、定款の定めにより株主総会決議で代表取締役を選定することができます。

 

 

不貞行為をした第三者への離婚の慰謝料請求の可否

不倫の相手方に対して、離婚に伴う慰謝料を請求できるかどうかに関する判例です。

 

判旨

夫婦の一方は,他方と不貞行為に及んだ第三者に対し,当該第三者が,単に不貞行為に及ぶにとどまらず,当該夫婦を離婚させることを意図してその婚姻関係に対する不当な干渉をするなどして当該夫婦を離婚のやむなきに至らしめたものと評価すべき特段の事情がない限り,離婚に伴う慰謝料を請求することはできない。

 

裁判所 | 裁判例情報:検索結果詳細画面